プール、加湿器、冷却塔などでレジオネラ菌増殖する

レジオネラ菌とは?

レジオネラ菌は貯まり水、沼、河川などの水中や、土壌に存在している自然環境中の常在菌の一種としても知られ、菌のうちLegionella pneumophila(レジオネラ ニューモフィラ)に感染するとレジオネラ肺炎を引き起こす。

健康な成人が発症することはまれで、幼児、高齢者、入院患者等の免疫力が低下しているヒトが感染しやすい。

レジオネラ菌に感染後、発症するパターンとしては、まずポンティアック熱では風邪に近い症状(発熱、寒け、頭痛、筋肉痛など)で死亡例は殆ど無いとされている。

もう一つはレジオネラ肺炎で、2〜10日の潜伏期間の後、呼吸困難、血性痰、下痢、意識障害等を引き起こし、死亡率は30%以上とも言われている。

人間の生活圏内ではプール、温泉、24時間風呂、加湿器、噴水、空調冷却水内といった場所でレジオネラ菌は増殖し、それらをエアロゾル(霧状)として拡散する。レジオネラ菌の大きさは0.002〜0.005mmなので勿論肉眼では見えないし、水の粒子に乗って数十メートルは軽々と飛散していく。ガーデニングや畑仕事など堆肥・土壌でも増殖する場合があり注意が必要である。

天然の温泉ではレジオネラ菌が居ても菌数が非常に少なく、環境的(温度、酸アルカリ度、硫黄分など、増殖に不適な環境)にも増殖し続ける可能性は低いが、天然温泉を汲み上げて水道水と混合してタンクへ貯蔵、配水しているような場合は、タンク内などで増殖する危険性がある。

レジオネラ症へ対する治療法は主に薬剤治療で、発病から1週間以内に治療を施せば死亡率を大幅低減出来る。

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レジオネラ菌増殖の予防策としては?

レジオネラ菌は摂氏20〜50度で増殖可能で、36度で最も盛んに増殖していく。つまり、温水プールや室内にある超音波加湿器(加熱しないので菌が生き延びる)、水を循環し続ける24時間風呂はレジオネラ菌にとって格好の住み家となってしまう。

厚生省生活衛生局企画課 建築物等におけるレジオネラ症防止対策について より引用
http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1111/h1126-2_13.htm

5.冷却塔水におけるレジオネラ防止対策

建築物の冷却水は空調用冷凍機の冷却に用いられる。6〜9月までの冷却塔の水温が15〜34℃であり、また塔内で有機物質などが濃縮されるためレジオネラ属菌の増殖に好適な場所となる。

冷却塔は増殖した菌を空中へ飛散させるため、レジオネラ症汚染防止の観点から最も注意を払わなければならない建築設備の一つである。 日本では、昭和62年〜平成4年までに行われた調査によれば、延べ約1,400基の冷却塔のうち約6割からレジオネラ属菌が検出された。

また、平成6年8月都内の企業の研修センターにおいて屋上の冷却塔が感染源と考えられる発熱患者45名が発生したことが報告されている。 設計・施工に関するレジオネラ防止対策の基本となる考え方は以下のとおり。

・ 冷却塔の型式を角形冷却塔を採用することが望ましい。また、清掃しやすい構造とする
・ エリミネータ(気流中に含まれる液滴を取り除くための板)を強化する
・ 外気取入口は自動車の排ガス等の影響が出ないよう高所に設置し、また風向等も考慮
・ 冷却塔からのエアロゾルが飛散することから、風向等を考慮し外気取入口、居室の窓等から10m以上離す また、維持管理については下記項目について行うことが必要である。
・ レジオネラ属菌殺菌剤の注入
・ スケール防止、腐食防止、スライム防止のための薬剤注入
・ 冷却塔の定期的な洗浄
・ 設備の定期点検
・ 感染因子の点数に対応したレジオネラ属菌の検査の実施

6.循環式浴槽におけるレジオネラ防止対策

循環式浴槽とは浴槽水を循環させ、その循環経路に粗大汚濁物を除去する装置(プレフィルタまたはヘアキャッチャ)を設けるとともに、ろ材を充填したろ過器を設置して浴槽水を浄化し、水の消費量と排出量を抑制するものである。

循環式浴槽では、湯が閉鎖系内を循環しているため、これらの微生物が生物浄化方式のろ材表面及びその内部、浴槽、管路系の内壁等に定着し、各種微生物が入浴者の体表等に由来する有機物質を栄養源として増殖する。

平成10年5月には都内特別養護老人ホームにおいて生物浄化方式の循環式浴槽を感染源とするレジオネラ症患者が12例発生し、うち1例がレジオネラ肺炎で死亡したほか、平成11年6月愛知県において自宅の24時間風呂で水中分娩で出産した新生児がレジオネラ属菌が原因と疑われる肺膿瘍で死亡するなど、循環式浴槽はレジオネラ症の感染源となっている。

このため、汚染と感染を防止するためには、循環式浴槽の使用に当たって、以下の点に留意して設計、設置、及び維持管理を行う必要がある。

・ 設定段階から適切な衛生管理が可能となるよう配慮
・ 製造者等はシステム全体の安全性に関する管理マニュアルを作成し、維持管理者に提示
・ 浴槽水をシャワー、打たせ湯などに使用しない
・ 気泡ジェット等のエアロゾル発生器具の使用を避ける
・ 塩素剤による浴槽水の消毒を行う場合は、遊離残留塩素濃度を0.2〜0.4mg/Lを1日2時間以上保つ
・ 浴槽の換水は、衛生管理の水準を保つよう定期的に行うことが望ましい
・ 浴槽の全換水を行うときは、塩素剤による洗浄
・消毒を行った後に、浴槽の清掃を実施する。ろ過器を設置した浴槽の場合には、ろ過装置、配管を含めた洗浄、消毒を行う。
・ 浴槽内部、ろ過器等の毛髪、あか及び生物膜の有無を定期的に点検、除去
・ レジオネラ属菌の検査を感染因子の点数を目安に定期的に実施

なお、家庭で使用される循環式浴槽(いわゆる24時間風呂)についても、上記を踏まえ維持管理等を行う必要がある

他、循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアルについて など
http://www.mhlw.go.jp/topics/2001/0109/tp0911-1.html

まとめると、水の交換、タンクや周辺の清掃、消毒(塩素系、オゾンガスによる消毒など)によって防止が可能。ぬめり気(バイオフィルム、生物膜)がある場合、多少の塩素消毒では、ぬめり気が防具のような役割をしてしまい、肝心の菌へ薬剤が到達せずに効果が薄い場合がある

新生児、幼児、高齢者、入院患者などが出入りする施設では特に気をつける必要があり、健常者であっても飲酒時、風邪気味な場合は感染しやすい状態にある。

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毎年のように起きるレジオネラ菌による被害事例

日産スタジアムのプールでレジオネラ菌検出
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080213-00000029-san-l14

財団法人横浜市体育協会は12日、横浜市港北区の日産スタジアム内の温水浴施設のプールから基準値を超えるレジオネラ菌を検出したと発表した。

さいたま市立病院の蛇口からレジオネラ菌
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080202-00000014-san-l11

さいたま市は1日、市立病院(同市緑区)の周産期母子医療センターの相談室内の手洗い用蛇口から、基準を上回るレジオネラ菌が検出されたと発表した。現時点で健康被害は報告されていない。同病院は蛇口の使用を停止し、給湯管の滅菌洗浄を行うなどの対策をとった。

営業停止が重なり、経営状態は更に悪化 負債7000万円、従業員解雇 ふる里公社破産会見
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071117-00000001-rtn-l26

福知山市夜久野高原、農匠の郷の夜久野荘、温泉、花あずき館など6施設を管理運営していた第三セクター・やくのふる里公社は、16日に京都地裁福知山支部に自己破産を申請し、同日、破産手続きの開始が決定され、記者会見を開いた。負債総額は約7100万円。従業員44人は全員解雇する。

公社は旧夜久野町時代の1998年4月1日に当時の町、町商工会と地域住民たちが出資して第三セクターとして設立。市町合併後も運営形態を市が引き継いで指定管理者として農匠の郷の管理運営をしてきたが、累積赤字がかさみ、06年度決算時には800万円の債務超過に陥っていた。

市は年内に再建計画ができることを念頭に補助金2500万円を投入したが、その直後に取締役陣の辞意表明などで事態は急転。市が設けていた期限内での再建計画の策定ができず、結果として15日に指定管理者の指定を解除された。同公社は経営資源を持たず、事実上の破産宣告となった。

記者会見には夜久早百合社長ら取締役3人と破産管財人らが出席。16日朝に取締役の梶村誠悟・副市長も交えた臨時取締役会を開き、全員一致で破産申請をすることに合意したと説明した。

破産への経緯については、取締役の後任選定がうまくいかず、10月末には温泉施設にレジオネラ菌、大腸菌検出による営業停止が重なり、経営状態は更に悪化。経営再建計画もまとまらず、指定管理者の指定取り消しの行政処分を受けた−として、夜久社長は「8月31日付で退任した大江輝久夫前社長=旧夜久野町長=の跡を受け継いだが、短期間に予想もしない多くのことがあって万策尽きた。

このような事態を招き、みなさまにおわびを申し上げます」と謝罪した。別の取締役からは「第三セクターへの甘えがあった」との声も漏れた。 第1回の債権者集会は来年3月13日。

夜久社長は最後に「公社はこういう形になってしまいましたが、今後、市の大切な農匠の郷として、みなさんが集える場所へと支援をいただけるようお願いいたします」と話した。 高日音彦市長は「筆頭株主として会社の再建に向け援助をしてきた経緯もあり、重大さを重く受け止めております。新しい指定管理者の指定に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております」とのコメントを出した。

日本臨床検査専門医会事務局 http://www.jaclap.org/simin/07rejio.html

2000年 3月:静岡県掛川市のリゾート施設で温泉利用の循環式風呂で、24人が肺炎になり2人死亡。

2000年 4月:山形県大江町の温泉利用の入浴施設で、2人感染。

2000年 6月:茨城県石岡市の「ふれあいの里・ひまわりの館」の入浴施設で、42人が感染し3人死亡。

2000年 7月:名古屋市の大学病院の24時間風呂で、1人感染し死亡。

2001年12月:板橋区内の銭湯で入浴中の77歳の男性が薬湯で感染し、レジオネラ肺炎で死亡。

2002年 2月:JR東日本などが栃木県喜連川町で分譲した温泉付き住宅地「フィオーレ喜連川」で温泉供給。設備の貯湯漕から国の基準の約800倍に当たるレジオネラ菌が検出され、同社は温泉の供給を停止。

2002年7月:宮崎県保健薬務課は7月30日、レジオネラ肺炎の集団感染がおきたことを発表した。

2002年8月:英国中部でレジオネラ症が発生 英国中部バロー・イン・ファーネスで、8月2日「レジオネラ症」が発生し、8月3日朝現在で19人の感染が確認され、89歳の男性1人が死亡した。

2002年8月:温泉やスーパー銭湯の6割にアメーバ発見 国立感染症研究所と全国14の衛生研究所の調査によれば、全国の温泉やスーパー銭湯など237カ所を調べたら、6割以上にアメーバが発見された。アメーバは重い肺炎を起こすレジオネラ菌やまれに脳炎の原因になるウイルスを食べていることもある。

2002年8月27日:稚内温泉「童夢」 でレジオネラ菌476倍 稚内市は同市富士見4丁目にある市営施設の稚内温泉「童夢(ドーム)」の打たせ湯から、国の基準の476倍のレジオネラ菌が検出されたと発表した。施設利用者に健康被害や感染は確認されていないという。

2002年8月30日:東郷温泉で入浴の男性が死亡 鹿児島県東郷町の東郷温泉で入浴の長崎県内の男性(63)がレジオネラ菌に感染して死亡した。この温泉は東郷町100%出資の地方公社運営の「東郷温泉ゆったり館」で、基準値の1万3000倍のレジオネラ菌を検出したと発表した。

湯を再利用する循環式浴槽であった。ろ過装置内のろ材からレジオネラ菌を含む雑菌を検出した。ろ材は粒状のセラミックスで、微小のくぼみや穴があり、消毒用の塩素を注入しても菌が殺菌されない場合がある

2002年9月13日:厚労省がレジオネラ症で浴場使用中止の指導通知 厚生労働省は全国の公衆浴場の利用者にレジオネラ症の発症が相次いでいる問題で、利用者への感染拡大の恐れがある場合、感染源を特定できなくても、感染源の疑いのある浴場施設の使用中止を指導するよう、全国の保健所に通知した。

徳島県 2008年1月22日 レジオネラ症について
http://www.pref.tokushima.jp/generaladmin.nsf/topics/E37F65F1D890CEB549256E5200108105?opendocument

平成6年8月
東京都渋谷区の化粧品会社の研修センターで45人が発熱、原因は空調用冷却塔の汚染

平成8年1月
東京都の大学病院で新生児3人が感染し、1人が肺炎で死亡

平成8年3月
東京都のサウナでおぼれた57歳の男性が肺炎で死亡

平成8年6月
岩手県和賀郡の温泉ホテルで男性3人が発病

平成10年5月
東京都目黒区内の民間の特別養護老人ホームで循環式風呂での12人が感染し、1人死亡

平成11年8月
佐賀県で温泉水を習慣的に飲用していた人がレジオネラ肺炎が原因での死亡

平成11年10月
愛知県名古屋市で自宅水中出産の赤ちゃん24時間風呂での感染死

平成12年3月
静岡県掛川市の温泉利用入浴施設で23人感染し、2人が死亡

平成12年4月
山形県大江町の温泉利用の入浴施設での2人感染 静岡県掛川市のリゾート施設で24人感染し、2人が死亡

平成12年6月
名古屋の病院の展望風呂が原因と推定されるレジオネラ肺炎で70題女性が死亡 茨城県石岡市の総合福祉センター内の入浴施設で疑いのある者を含め45人感染し3人が死亡

平成12年7月
愛知県名古屋市の大学付属病院の24時間風呂で1人感染し死亡

平成14年1月
東京都板橋区内の銭湯の薬湯を誤って飲んだ77歳の男性が死亡

平成14年7月
茨城県石岡市の総合福祉センター内の入浴施設で疑いのある者を含め45人感染し3人が死亡。
愛知県名古屋市の大学付属病院の24時間風呂で1人感染し死亡。
福島県合図若松市の県立乳児院で乳幼児18人が肺炎などで入院、内8人がレジオネラ菌陽性 宮崎県日向サンパーク温泉「お舟出の湯」における集団感染 患者数295人、死亡者7人。

平成14年8月
山形県の温泉施設2箇所で3人が感染 鹿児島県東郷町の町営温泉で入浴客9人が発病し、1人死亡

平成14年9月
愛知県の青年の家の浴槽で中1の男子が感染

平成14年10月
広島県の温泉施設利用者の呉市の男性が死亡

平成15年1月
豪華客船の台湾クルーズ中に男女2名肺炎で入院。
石川県山中町の第三セクター温泉で気泡ぶろ入浴中に意識を失った68歳男性が重症肺炎で死亡。

平成15年2月
岡山県の大学病院に入院中の40代男性が感染し、死亡

平成16年2月
北海道のリゾート施設(温水プール)で母娘が肺炎

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